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時代の波は速い

流行に遅れがちな大学院生のブログです。

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「加法定理が成り立つので、加法定理が成り立つ」のような論理

 

最近、寝付きが悪くてめっちゃ困ってるので、「寝やすい 体勢」とググってみたところ、以下のような記事が出てきました。

横を向いて寝るのが良いと書いてありますが、それ自体が正しいかどうかはおいといて、明らかに論理的におかしい文章であることが気になりました。

 

結論が正しいという前提で結論が正しいことを証明している

「2. 妊婦を見て!」の部分

では体への負担が
最も小さい寝方はどれか。
それは横向きです。

根拠は妊婦さんです。
妊婦さんは横向きで寝ると良いって話を聞いたことありませんか?妊婦さんは、最も体へ負担をかけてはいけない存在です。その妊婦が横向きで寝るってことは…………

横向きが最も自然で負担の少ない寝方だということになります。

 

なんてすごい論理展開なんだと思いました。正しそうに見えるが、全く証明になっていない。この引用部分の言いたいことは、簡単にまとめるとこんな感じ。

 

前提条件

  • 「妊婦さんは体へ負担をかけてはいけない」
  • 「妊婦さんは横向きで寝ると良い」

結論

  • 「横向きが体への負担の少ない寝方である」

 

 

さて「妊婦さんは体へ負担をかけてはいけない」という前提条件は正しいものとしましょう。まず疑うべきは「妊婦さんは横向きで寝ると良い」という話が本当に正しいのか、ということです。

 

「妊婦さんは体に負担をかけてはいけない」という条件だけからは「妊婦さんは横向きで寝ると良い」が正しいとは言えません。

 

「妊婦さんは体に負担をかけてはいけない」に加えて更に「横向きが体への負担の少ない寝方である」という前提条件があって初めて「妊婦さんは横向きで寝ると良い」が正しいと言えます。

 

しかし、この「横向きが体への負担の少ない寝方である」というのは今回正しいと証明したい結論であり、その結論を証明する過程においてその結論が正しいという前提条件を使うことはあってはならないことです。

 

高校数学で考えてみる

「"正しいことを今から証明したい結論"が正しいという前提条件」のもと、その結論が正しいと証明するのはアウトです。

 

これ、例えば「加法定理が成り立つことを証明してください。」っていう問いに対して「加法定理が成り立つので、加法定理が成り立つ。」って言ってるようなものですよ。

 

けど、高校数学の証明問題とかでも、意外とこういうミスをする人はいます。例えば次の問題を考えてみましょう。

 

すべての実数 x に対して

x^2+5 \gt 4x 

が成りたつことを証明せよ。

 

満点の解答

(x^2+5) - 4x

=(x-2)^2 +1

\gt 0 (∵xは実数)

よって

x^2+5 \gt 4x が成り立つ。

 

これは問題ないですね。不等式を証明するために、左辺と右辺の差をとる方法です。

 

でもたまに次のような解答をする人がいます。

 

0点の解答

x^2+5 \gt 4x 

x^2+5 - 4x \gt 0

(x-2)^2 +1 \gt 0

よって

x^2+5 \gt 4x が成り立つ。

 

「今から証明したい式( x^2+5 \gt 4x) が成り立つ」という前提で、式を変形しているだけの解答です。何の証明にもなっていません。「"正しいことを今から証明したい結論"が正しいという前提条件」を勝手においているので、完全にアウトです。

 

これは簡単な例なのでハマる人は少ないでしょうが、もっと複雑な問題になったときにもしかしたら同じようなミスをしてしまうかもしれません。

  

数学に限らず、論理的に何かを説明したい場面においても、このようなミスを犯さないように注意しておきましょう。

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